2005年03月05日

「来たれ、暁」第二話

 目の前で膝をついて深い緑の瞳で見上げるのは七つ年上の騎士。父が母のもとを訪
れる時に頻繁にお供にした一人だ。
「どうして…ここに」
「今宵はローゼンリンデ様のご結婚相手を決める舞踏会が開かれ、近隣の名士の方々
を失礼なくお相手すべく人手はほとんど本館の方にとられてます。また浮ついた気分
は下々まで流れ、街全体が浮かれて騒然としております。ここを出るにまたとない好
機です」
「私の脱出に手を貸してはただではすまないぞ?」
「どのみちお暇を頂くつもりでした。私はご不要なようでしたから」
 ああ、そういえば義姉は母に関わった者には徹底して冷遇したという話を聞いたこ
とがある。
「なにより私がお守りすることを誓ったのはエルタルミナ様であってローゼンリンデ
様ではございません」
 真っ直ぐなトレイスの視線を見返す。と、不意に視界が歪んだ。
「まだ、こんなものがあったなんて…」
 枯れ果てたと思っていた涙が頬を濡らす。
 嬉しかったのだ。自分を思ってくれる言葉にあまりに飢えていて、本当に嬉しかっ
たのだ。
 ゴシゴシと乱暴に涙を拭い、私は私の騎士に笑って見せる。
「連れて行ってくれ。此処ではない何処かへ」
                           (続く)
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posted by 三影 at 21:25| Comment(14) | TrackBack(0) | =来たれ、暁= | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「来たれ、暁」第一話

 幸せな夢を見た。
 一面の花畑ではしゃいでいた幼い自分。振り返れば両親がいて、遊び相手もいる。
 あの頃世界は輝いていて、欠片の不安もなかった。……幼すぎて気づかなかった。

 暗い部屋で目を覚ます。満足な家具もない此処ともう一間が私に許された場所。敷
地の外れ、打ち捨てられた小さな塔、幽閉された私の住居。
 ひび割れた鏡に写るのは痩せて目ばかり目立つ、ぼさぼさ頭の少女。たった数年で
かつての自分とはこうも変わるのかと思うとおかしくなる。
 父が病に倒れ、その愛妾だった母が後を追うように死んだ後、領主の地位を継いだ
異母姉はすぐさま私をここへ閉じ込めた。
 突然のことにおろおろしてる、たかが10歳の小娘とはいえ自分の立場を脅かす可
能性があるし、何より父の愛情を自分達母娘から奪った愛妾親子への憎しみが大き
かったようだ。
 それでも私がまだ生きてるのは、まだ何かに使える可能性があると吹き込んだ者が
いたということと、簡単に死なせる気がないということらしい。
 溜息をついて窓から外を見ると、遠くの本館がやけに明るく、浮ついた雰囲気が此
処まで感じられてきた。
「何か祝いの宴でもあるのか…?」
そういえば私を世話してる小間使いも、監視の兵も朝からそわそわしてたような気が
する。
 まあ、私には関係ない話だ。再び溜息をついた時、なにやら塔の入り口で騒ぐ声が
した。眉を顰める間もなくすぐにそれは静まり、不安を掻き立てる。
 とりあえず身を守る物を求めて視線を泳がすが、適当な物はない。仕方なくそのま
ま扉を睨みつけて身構える。ただあっさりと殺されるのだけはごめんだ。
 扉が開いた。
 背の高い男が入ってきたかと思うと、私の前に膝を折る。
「お迎えに参りました、エルタルミナ様」
 この声には聞き覚えがある。
「トレイス……?」

                     (以下次号)
posted by 三影 at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | =来たれ、暁= | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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リンクはフリーですが、引用元を明らかにしない転載はご遠慮下さいませ。

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実在の事件・団体とは関係ありません。
posted by atori at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | このサイトについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月20日

只今微調整中

メイン執筆者の某さんの意見も聞いておかないとなもので(PCに不慣れ&多忙な某さんの代理で作ったようなものなので…)なかなか更新できず申し訳ありません。

実は「来たれ、暁」の第二話までは原稿もらってるんですが(^^;
posted by atori at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月12日

ごあいさつ

Guardian Knight(仮)管理人の atoriです。

「姫君(幼女)と騎士(おっさん)の組み合わせって、なんか萌えるよなぁ」

先日、とある友人との電話中にうっかり口走った一言から、このサイトの企画が生まれました。
そういうコンセプトのお話を中心に、まったりと創作SSの発表ややオススメ本の紹介などをしていく場にしていきたいと思っております。

今後ともよろしくお付き合いの程を。
posted by atori at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | このサイトについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月07日

只今テスト中

とりあえず作ってみましたが、どんな感じでしょう…続きを読む
posted by atori at 02:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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